« 白い蝶 | トップページ | 始動 »

2010年8月 2日 (月)

熱帯夜

足が悪くなって車椅子に乗っている私
お手洗いに行きたくてヘルパーさんに立たせてもらうよう頼んだけれど
女性のヘルパーさんには断られ
もう一人の方はそれどころではなさそう
恥ずかしさをこらえて男性のヘルパーさんにも頼んでみましたが
黙って悲しそうに首をふるだけ
何故こんなに辛いのに助けてもらえないの?
切羽詰まった私は
施設長さんめがけて
猛烈な勢いで車椅子を走らせる
うわぁ…ぁ!!

泣きたい気持ちで施設長さんの目の前に来たとたん…
目が覚めた!
Img_2482_2
泣きながら目覚めると
それは伯母が感じていたことだと強く感じました。
脳梗塞で不随になって立ち上がれないのにオムツにできなくて
『お手洗いに連れて行って!』と一日中繰り返している日もありました。
伯母の苦痛を知っていても何もできない私がふがいなかった…
それでも伯母が生きている間は
そんなことを夢に見たりしなかったのに
今更どうして?
辛かったことをもっとわかってほしかったから?
そういえば最近
私の顔に急にできたデキモノも
伯母の大きなホクロのあったところ
伯母はまだまだ私に言い残したいことがたくさんあったのでしょうか…

そんなこと感じながら眠れぬ日々を送っていました。
たまに友人に会ったり
旦那様に気分転換に連れて行ってもらう他は
何もできなくてソファの番です。
お庭は猛烈な虫と里帰りの際の水切れで
癒しの庭どころではなく
薔薇もクリスマスローズも多肉さえも瀕死の状態

そんな時 ある人に言われました。
『伯母さんはそんなこと思ってもないですよ。
そんな夢を見るのは
あなたの心に溜まっている苦しい思いを解放している過程
そう考えればむしろ良いことです。
全部解放して肩の荷を下ろせたら楽になりますよ。
貴方が何もできなかったと感じていたとしても
伯母さんは貴方が傍に来てくれるだけで嬉しくて感謝されていた思います。』

思いを解放…
そうなんですか

痛くない?
辛くない?
寒くない?
寂しくない?

ずーっと息を凝らして伯母を見つめていたから
伯母の痛みを自分のことのように感じていました。
そんな一瞬一瞬が膨大に積み重なって
無力な自分を責めていた…のかも
夢を見て泣くことも今は癒しなのかも知れませんね

そう思うと少し元気が出て久々に伯母のいた施設に寄りました。

辛くて行けなくて、できなかった事務処理もやっと終わりました。
その後伯母のいたユニットに挨拶に行くと伯母の仲間たちが笑顔で迎えてくれました。
伯母と同じ脳梗塞と糖尿を煩っていた方は
私の訪問に喜んで私の手に何度もキスしてくれました。
麻痺で言葉が出ない分ストレートに表現して下さったのでしょうが、今までなかったことなので驚きました。

Img_2407
いつのまにか抱き合って二人で泣いていました。
伯母のことを思い出して下さっているのか
久々に会ったことを喜んで下さっているのか
聞き取れない彼女の言葉は理解できないけれど
伯母を失って空な日々を送っていた私の心に
まっすぐな温かさが伝わってきました。
じんわりじんわり温かい涙が悲しさを流してくれる
そんな優しい経験でした。

二十代から始まった介護からようやく一端卒業できたというのに
心に溜まった思いをまだまだ解放できなくて
なかなか先には進めないでいます。

でも泣いたり落ち込んだりも繰り返しながらも
家族や周囲の方の温かさに触れて少しずつ
自然体の自分を肯定できるようになっている気がします。

そんなわけで植物の話題はしばらくお留守になるかもです。
少しお時間かかりそうですが気長に見て下さい。
『ドブに捨てても笑っているような明るい子』
母に言わせれば
そんな明るさだけがトリエの私ですから
肩の荷が降ろしきったらどんなことになりますことやら…

|

« 白い蝶 | トップページ | 始動 »

日々のできごと」カテゴリの記事

コメント

 久しぶりにブログの更新、それにしても重いテーマでした、病人を看病、看護する重さ、体験したものにしか解りません。でも、それを経験するのは貴重な体験で得るものもあるものです。親、兄弟、親族をみとることの他に、我が子を看る経験の人もたくさんいます。
それでも、受けねばならない時があります。
優しい、あなたが苦しく感じ時は十分悲しんでいたらいいと思います。解き放たれるには時間がかかります。
親族との関係も希薄になっている現代、あなたは精一杯やったのです。自分自身を認め慈しんでください。
先輩の私からのせめてものメールです。

投稿: 銀子 | 2010年8月 3日 (火) 08時37分

銀子さんへ

励ましのお言葉ありがとうございました。
銀子さんも介護経験がおありなのですね。

>十分悲しんでいたらいいと思います。解き放たれるには時間がかかります。

やはりそうなのですね
他の先輩にも同じようなことを言われました。
その方も一年くらいは泣いてばかりだったけど
気がすむまで悲しんだらどこからか力が湧くものよと…
今の彼女はもの凄く輝いている方なので
そんな時があったとは想像できませんでした。

大変なこともあったけど
確かにとても尊い経験でした。
今は無理に元気なふりをせず
自然体でいこうと思います。

投稿: tearose | 2010年8月 4日 (水) 00時51分

実は昨日ここを訪れて、コメントできませんでした。
介護の経験のない私はコメントできないくらい重いことなんだと。
冒頭、現実の事かと慌てましたが、そんな夢を見られるのですね。
このエントリーをUPされるまでも大変な日々を送っておられたと思います。
ただ今、私が言えるのは、庭の事は目をつぶって、
無理なさらず、ソファと仲良くされるのがいいかと。
ゆっくりお過ごしください。
猛暑ゆえ。

投稿: kiku | 2010年8月 4日 (水) 19時47分

お辛い日々を過ごされていたんですね
心配いたしておりました
私も5月の初めに母を亡くしました
泣いても泣いても涙はことある度に出てきました
悲しんでばかりいては母が安心して父の待つところに行けないと思っていますが
未だに涙が滲む時があります

tearoseさんの悲しみも少しずつ時間をかけて涙が洗い流してくれると思います
どうぞご無理をなさらずに
まだまだ暑い日が続きますがご自愛ください


投稿: OGC | 2010年8月 4日 (水) 20時55分

他人に優しく、自分に厳しいtearoseさんらしいですが、少しは自分に優しくしないといけませんね!
貴女はしっかりご自分の役目を果たしたと思いますよ!
“人は生まれてくる時には大きな声で泣いて誕生するのに周りの人は皆笑っている、そして死んでゆく時は本人は笑って死んでゆくのに周りの人は皆泣いている。”
一つの心理かもしれませんね。
お母様も、お父様も、伯母様も皆ご自分の役目を果たし別の世界へ旅立たれ、笑顔で天国でtearose産のことを見守っていると思いますよ!
旅立たれた方々は皆、笑顔で旅立たれたと信じたいですね!
後に残った者も、笑顔で旅立つ事ができるように今を大事に生きて行きたいものです。

今年の暑さは厳しいですから、お互いに心身ともに暑さに負けないようにがんばりましょう!!

投稿: sinobueakira | 2010年8月 5日 (木) 00時19分

kikuさんへ

ご心配おかけしました。
ブログには相応しくない重い内容で失礼しました。
自分の中に溜まった物を吐き出してしまうことで
私は少し軽くなりましたが
読んでる方には重苦しいものを押しつけてしまいましたね

介護は子育てと似ていて
経験する前は大変なことしか見えないけど
とても貴重な経験です。
今は喪失感を拭えませんが逃げないで最後までできたこと
良い修行になりました。
何度も何度もこういう機会を与えられたのは
成長しなければならない部分があったからなのでしょうね
しばらくは猛暑と戦う気力がないのでおとなしくしておきます。

投稿: tearose | 2010年8月 5日 (木) 12時40分

OGCさんへ

OGCさんも春にお母様を亡くされたのですね。
いつもお邪魔していたのに5月はバタバタしていて
お悔やみも申し上げることができず失礼しました。

OGCさんはいつまでも泣いていてはお母様が心配されると思われたのですね。
本当にそうかもしれません。
私も伯母に心配かけないよう気持ち切り替えたいです。
少しずつ何か始めたい気持ちになりました。
ありがとうございます。

投稿: tearose | 2010年8月 5日 (木) 13時30分

shinobueakiraさんへ

人にはいろんな役割があるものですね
長年のお役を解かれ今はとまどっていますが
きっと次の役割もあるのでしょうね
shinobueさんのおっしゃる通り一日一日を
大事に生きていけるよう頑張ります。
ありがとうございました。

投稿: tearose | 2010年8月 5日 (木) 16時57分

わたしも、最初読んだ時、本当の話かとびっくりしました。
いやいや!
他の方のブログと間違えたか、tearoseさんの一大事を見逃していたかと、動揺して、二度見してしまいました。
こんな辛い夢をご覧になるとは・・・
tearoseさんの思いに胸が詰まりました。
二十代から、介護生活をされていたのですね。
tearoseさんは、ほんとうに優しい方だから
ご自分を責める思いも、人一倍強く、悲しみも苦しみも深いのだと思います。
でも、早く元気になろうと思わないで
みなさんもおっしゃっているように
ゆっくりゆっくり悲しみに身を任せて、自然に力が湧くまで待っていればいいと思いますよ。

今年は、特に酷暑で大変かと思いますので
のんびりとソファのお守りを決め込みましょう!
わたしも、訳あって今年2月から5月まで家を留守にしたことがあり、植物がかなりダメになりましたが
人生そういう時期もあると、植物たちには我慢してもらいましょうね。
また、力が湧いて来た時に、植物たちがさらなる力をくれると思います。

投稿: みー | 2010年8月 8日 (日) 12時26分

みーさんへ

驚かせてすみませんでした。
暗い話をダラダラ書いても…と思いつい最初に夢の話を書いてしまいました。

そういえばみーさんも今年は大変でしたね
最近ほとんどPCに向かうこともなかったのですが
落ち着かれましたか?
みーさんでも枯らしたものがあったのですね
今年はは豪雨と酷暑激しかったですものね
そんな一番厳しい時にお手入れもしてあげなかったから…可愛そうなことをしました。
でもみーさんのおっしゃる通り
そんな時もあると捉えて秋を待つことにしました。
お心遣いありがとうございました。

投稿: tearose | 2010年8月 9日 (月) 18時19分

ブログ更新に気づいていなくてすいません。(;^_^A

「あなたの心に溜まっている苦しい思いを解放している過程そう考えればむしろ良いことです」

人はうまいことをいわれるものだと感心します。
私も同意見です。

おばさんは、今頃穏やかな笑顔でtearoseさんを
見守ってあると思いますよ。

投稿: ともっち | 2010年8月18日 (水) 21時40分

ともっちさんへ

ありがとうございます。
楽しい事も辛いことも
何か意味があるのでしょうね
それを糧に成長しているといいのですが…

投稿: tearose | 2010年8月22日 (日) 17時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/172033/35974974

この記事へのトラックバック一覧です: 熱帯夜:

« 白い蝶 | トップページ | 始動 »